週刊宮本武蔵アーカイブ(32)
吉沢久子
Erzähler 浅科准平
Verlag: Otobank
Beschreibung
国民文学作家・吉川英治の代表作『宮本武蔵』の週刊配信を開始!新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。本コンテンツは、定期配信番組「週刊宮本武蔵」のアーカイブパッケージ版です。第136回 撥伊織と共に神楽殿の祭りを見に来ていた武蔵。神楽司の人長(ひとおさ)の歌詞(うたことば)を聞きながら、彼は太鼓をたたいている舎人(とねり)の手をじっと見ていた。すると突然、辺りを忘れて大きな呻きをあげる。年来、胸にわだかまっていたものが解けた瞬間であった。第137回 魔の眷属祭りで武蔵を見かけたという報告をお甲から受け、酒の酔いから目を覚ました祇園藤次。お甲と同じく、武蔵の事を怨んではいたものの、自分の手なみからしてまず勝ち目はないと、半ば復讐を諦めかけていた。だが、この山には武蔵に深い遺恨を抱く人物がもう一人いるとお甲に言われ、ふとひらめく。その人物とは、現在、山の総務所で宝庫番を務めている宍戸梅件の事であった。第138回 八重垣紅葉日が上り始めた頃、太陽について語らいながら山道を歩いていた武蔵と伊織。すると、ふいに歩いていた大地が揺れるような感覚と共に、ずどんッ!と烈しい音が鳴り響く。武蔵の命を狙う者たちによる襲撃であった。咄嗟に耳を抑えた伊織は、熊笹の中へ顔を突っ込む。その途端、うすい弾煙が漂う樹陰の方から、ぎゃッと、生き物が断末を告げる刹那の叫び声が響いた。第139回 下り荷駄平等坊(びょうどうぼう)の宝蔵破りをした罪人として、武蔵は役人の群れに捕まっていってしまった。権之助は、泣くじゃくる伊織をなだめ、その体を背におぶって歩き出す。夕べ、床几を借りて寝た犬茶屋の前を通りかかると、背中の伊織が、さっき山で見た女の人がいる、とつぶやく。その女とは、憎悪に満ちた視線をこちらへ向けて来るお甲の事であった。
Dauer: etwa 2 Stunden (02:02:09) Veröffentlichungsdatum: 03.11.2017; Unabridged; Copyright Year: 2017. Copyright Statment: —