週刊宮本武蔵アーカイブ(22)
吉沢久子
Narrator 浅科准平
Publisher: Otobank
Summary
国民文学作家・吉川英治の代表作『宮本武蔵』の週刊配信を開始!新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。本コンテンツは、定期配信番組「週刊宮本武蔵」のアーカイブパッケージ版です。第92回 連理の枝烏丸家の口添えにより借り受けた山月案で病を養うお通。下り松での決戦の結果はここにも伝わっており、武蔵が無事だと分かると、彼女の血色は日増しに良くなっていった。ある日、武蔵の居場所を聞きつけてきた城太郎が、今すぐ会いに行こうとお通を誘う。だがお通は、武蔵とは既に今生の別れを済ませていると言い、動こうとはしなかった。第93回 送春譜牛の背に乗り、お通と落ち合う約束の場所へと向かっていた武蔵。以前までの彼は、女性というものに対し堅く構えていたが、今は違う。お通のように覚悟があり、聞きわけもよく、聡明な女性ならば、剣の道の妨げになる事はないと確信し、彼女には何もかもを許しきっていた。やがて目標の地にたどり着くと、お通と城太郎は既に到着しており、彼女らもまた、武蔵との再会を待ちわびていた。第94回 女滝男滝中津川の宿場端れで、ようやく武蔵に追いついた又八。その後ろ姿を見るや否や、又八は顔色を変え、疑いの視線を送る。武蔵が引く牛の背に、お通が乗っているのを目撃したためであった。二人の睦まじい様子を見て、又八はかつてない程の憎悪と嫉妬を抱く。そんな気配に勘づく事もなく、武蔵ら一行は滝の元で一旦休憩を挟むのであった。第95回 普賢馬篭峠の滝で気持ちがすれ違って以来、武蔵とお通は互いに口を利き辛くなってしまい、大きく距離を置いて歩いていた。お通についていた城太郎は、食べ物をねだったり、時々ませた口でお通をからかったりしている。城太郎の生意気さにお通が手を焼いていると、尖った一声が二人の足を止めた。その声の主とは……。第96回 木曾冠者又八がお通の牛を攫って、彼女ぐるみどこかへ攫って行ったという噂は、先の丘にいた武蔵にも伝わっていた。急いで来た道を駆け戻り、茶店のおやじに事情を尋ねたところ、又八らは野婦之池の方へ向かったという。しかし、池らしい所はなかなか見つからず、道に迷ったかと思われたその時、一叢の防風林に囲まれた農家からぼうと赤い光が射した。地内にはお通が乗っていた牝牛が繋がれているのであった。
Duration: about 3 hours (02:37:15) Publishing date: 2017-01-06; Unabridged; Copyright Year: 2017. Copyright Statment: —